当院で診療を行っている主な病気

高脂血症(脂質異常症)

2007年7月に高脂血症から脂質異常症に改名されました。

血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪(トリグリセライド)が高い、あるいはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い状態を総称して脂質異常症といいます。脂質異常が長期間続くことで,動脈硬化に起因する合併症を招きます。LDL-コレステロール140mg/dl以上で冠動脈疾患の発症リスクが2倍以上になります。LDLコレステロールは、血液中でコレステロールを末梢へ運び、HDLコレステロールは血管壁の余ったコレステロールを肝臓へ戻す役割があります。

また中性脂肪が高いとと肥満や脂肪肝を招くことになります。

動脈硬化の予防については、日本動脈硬化学会による動脈硬化性疾患予防ガイドラインに準拠して治療方針を決めます。

脂質異常症の診断基準

脂質異常症の診断基準

*LDL-コレステロールは臨床検査分野では厳密に測定するには、多めの血液とかなりの手間がかかります。そのため日本では直接法という簡易的な測定キットが開発され、健診や病院でも利用されています。しかし、試薬メーカーによって値にバラつきが出ることがあり、十分な精度管理ができていません。そのため、LDL-コレステロール値として臨床で用いられるものはFriedewald計算式と呼ばれるものです。(総コレステロール値)から(HDL-コレステロール値)を引き、さらにトリグリセライド値(中性脂肪)を5で割った値を引きます。

ただし、この計算式が使えるのはトリグリセライドが300〜400mg/dL未満とされています。これ以上高いときは、この式を適用するとLDL-コレステロール値は実際より低くなります。

400mg/dL以上の場合は、Non-HDLコレステロール値やLDLを直説法で求めて評価します。
(参考:かがやきニュース「基準値?知らないと混乱する!」

生活習慣に起因する

多様な遺伝的素因(単一の遺伝子異常でなく、いわゆる体質)と食生活の欧米化や運動不足などを原因で、成人になってから発症します。

家族性脂質異常症

若年発症の狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の家族歴がある人、未治療のLDL-コレステロールが180mg/dl以上、また内服治療でも効果の出にくい傾向があります。そして黄色腫という脂肪の塊がアキレス腱にできやすい特徴があります。

二次性脂質異常症

脂質異常症を起こしうる病気、糖尿病・甲状腺機能低下症・クッシング症候群・ネフローゼ症候群・慢性腎不全・閉塞性黄疸・肝硬変などが原因となります。またステロイドホルモンなど薬剤が原因となるものも含まれます。

治療

食事が基本となり、過食を控えて標準体重を心掛けましょう。

食事のバランスを考えよう

動脈硬化を予防する食事はまずは総摂取量を、自らの日常生活の身体活動量を考慮します。軽い労作の人は1日必要エネルギーは、標準体重1kgあたり、25〜30キロカロリーです。普通の労作の方で、30〜35キロカロリーです。そのうちの脂質エネルギー比率は20〜25%、炭水化物エネルギーを50〜60%とし、食物繊維の摂取を増やしましょう。

不飽和脂肪酸には、炭素間の二重結合のまわりの構造の違いにより、シス型とトランス型の2種類があります。そして天然の不飽和脂肪酸の多くはシス型です。ただし牛肉や乳製品には微量のトランス型が含まれます。そして加工してできるマーガリン、ショートニングや、これらを用いて作るパン、ケーキなどの洋菓子、揚げ物にはトランス脂肪酸が含まれています。

トランス脂肪酸の多い食品:ファーストフード店の揚げ物、ビスケット、パン、ケーキ、スナック菓子

トランス脂肪酸の多い食品は控えよう

トランス脂肪酸摂取が、LDL/HDL-コレステロール値比を増加させることが報告されています。

飽和脂肪酸(SFA)、一価不飽和脂肪酸(MUFA)、多価不飽和脂肪酸(PUFA)の比をS/M/P比といいます。

動物性脂肪に多く含まれるSFAは総コレステロール値および冠動脈発症率を増加させます。逆にオリーブ油などに多く含まれるMUFA摂取の増加は血清脂質を改善し冠動脈疾患の発症を抑制します。

魚

魚油に多く含まれるn-3系PUFAの摂取が、SFAをPUFAに置き換え、動脈疾患の発症を抑制します。

タイプ別の食事療法

運動療法

HDL-コレステロールを上昇させて、トリグリセライド(中性脂肪)をさげる効果があります。通常速度のウオーキングレベルの中等度の運動を30分以上、できれば毎日行うと良いでしょう。少なくとも週3回以上は行いましょう。

運動

勧められる運動

速歩、水泳、エアロビクス、スロージョギング、サイクリング、ベンチステップ など

運動しているから少しぐらい食べてもいいと安易に考えないように気をつけましょう。
(参考:かがやきニュース「ちょっと食べたお菓子、消費できますか)」

 

治療目標の設定

冠動脈疾患の既往がある場合は、まずは二次予防のため厳格な管理が必要となります。そして既往がない場合は、一次予防として、糖尿病などの動脈硬化疾患を示唆する病態の合併の有無が重要となります。ひとつでも「ある」場合は、「高リスク」として治療目標を決めます。「なし」の場合、吹田スコア(危険因子を点数化して合算してグレード分類)を用いて患者さん毎に、治療目標を決めます。吹田スコアは複雑なため、以下の危険因子を用いた簡易版を参考に掲載します。

治療目標値を決めるためのスクリーニング
治療目標値

生活習慣の改善でも、脂質管理が不十分な場合にはお薬を使います。また高リスクの方は早めに薬を使うほうが安全です。またLDL-コレステロールが、180mg/dl以上が続く場合は動脈硬化の進展につながり、そしてトリグリセライド(中性脂肪)が500mg/dl以上の場合は、急性膵炎のリスクが高くなるため、食事療法と並行して薬を使うべきです。

脂質異常症治療薬の特徴

脂質異常症のタイプ、また脂質管理目標値を参考に患者さんに適切である薬剤を選択します。やみくもに新薬が使われているケースに遭遇しますが、過去に臨床で長期にわたり使われてきた薬剤は副作用も「見える化」されていますが、新薬については今後表出してくるケースもあり、それだけに使わないと患者さんにとってマイナス面が強いかどうかが選択の分かれ道となります。

HMG-CoA還元酵素阻害薬 スタチン薬

各種高脂血症薬の特徴

LDL-コレステロールを下げる場合、患者さんの値と治療管理目標値より、下げるべき値(%)を意識して、まずはスタンダードスタチンで可能なのか、それでは不十分でストロングスタチンが必要なのかを決めます。また複数の薬剤を既に内服している場合には、肝臓におけるCYP代謝の影響を受けにくいものを選択する必要があります。

CYP3A4の影響を受ける薬剤: 降圧剤のカルシウム拮抗薬、ワルファリン
CYP2C9の影響を受ける薬剤: アンギオテンシンU受容体拮抗薬、ワルファリン、糖尿病薬であるグリニド、グリメピリド

(参考:かがやきニュース「高脂血症の薬で糖尿病になる?)」

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