アルツハイマー型認知症:これでわかる病気の全体像

超高齢化社会を迎えて,多くの人が長生きできる社会です。その結果,現在60歳の人が死ぬまでに認知症になる確率は65%に昇ると言われています。
認知症とはいったいどういう病気でしょうか?

認知症っていったい何?

いったん発達した知能,記憶,判断力,社会生活を営んでいくのに必要な実行力,注意力,言語力,知覚から行動する能力などが持続的に低下していく病態を言います。多くの患者さんはご家族が気づいて病院に来られます。

未治療・初診患者の認知症評価スコア

当院に来られた未治療・初診患者さんの中で,家族と一緒に来られた患者さん群とお一人で心配で来られた患者さん群の認知症スクリーニング検査の結果です。お一人で来られる患者さんはMMSE(ミニメンタルステート検査)で評価していますが,ご家族同伴で来られる患者さんは明らかに点数が低い結果です。HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価)では平均16.6点とそろそろお一人での生活が厳しくなる状況で,ようやく病院へ来られている印象があります。
認知症の中でも最も多いのが,アルツハイマー型認知症です。現在は多くの人々が知っている病気ですが,この「アルツハイマー病」という言葉が医学の世界で初めて使われたのが1910年です。病理学的には大脳皮質の神経細胞周囲にアミロイドが沈着し老人斑を形成し,神経細胞の内部にリン酸化タウが沈着し,神経原線維変化を来す2つの変化を特徴としています。以前は65歳を境に若い人を「アルツハイマー病」,高齢発症を「アルツハイマー型老年痴呆症(認知症)」と呼んでいましたが,現在では病理組織学的な違いがないことから,「アルツハイマー病もしくはアルツハイマー型認知症」と総称されています。

アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)

研究的に分類する場合は「早期発症家族性アルツハイマー病」と「後期発症アルツハイマー病」に分けます。64歳以下の発症の場合には遺伝子変異を受け継ぐ家族性のものが約60%と高くなりますが,高齢発症の場合には家族に認知症の人がいたから発症しやすいということはありません。むしろ糖尿病や脳血管障害,喫煙,肥満などが危険因子と言われています。

外来を受診される患者さんでアルツハイマー型認知症と診断されて,すでに薬をはじめているけど,実は前頭側頭葉変性症であったり,意味性認知症であるケースが少なからずあります。認知症=アルツハイマー型認知症ではありません。以下に示す診断基準は2011年米国国立老化研究所とアルツハイマー協会によって提案された診断基準です。

アルツハイマー病の診断は:除外診断が重要

緩徐に進行する認知機能の低下,そして脳血管性やレビー小体型,前頭側頭葉変性症などの除外診断が不可欠です。そのためには画像診断のみに頼らないことが重要です。特に陥りやすい間違いが「海馬の萎縮=記憶力低下=アルツハイマー型認知症」という理解です。MRI検査による海馬の萎縮評価であるVSRADの数値のみを重視する診断法は危険です。

海馬の萎縮=記憶力低下=アルツハイマーではない

これはアルツハイマー型と前頭側頭葉変性症の頭部CTですが,海馬の萎縮だけに目をやれば,明らかにこの症例ではその萎縮レベルでは前頭側頭葉変性症の方が強いことが判ります。よく見ると左右差があり,これは側頭葉の萎縮にともなう変化から起きてしまう結果です。アルツハイマー型には,海馬の萎縮よりも頭頂葉楔前部から側頭葉内側(側頭葉の上の方)の萎縮が目立つタイプが案外に多いのです。そして特に気をつけないといけないのが,80歳以降の高齢者での発症です。脳血管性認知症やレビー小体型が合併していたり,病気の進行とともに前頭側頭葉変性症に伴う症状(ピック化)が優位にでるケースなどがあります。

高齢者の認知症は複数の認知症が併存

さらに85歳から90歳以上の発症では,神経原線維変化型老年期認知症や嗜銀顆粒性認知症など生前にはいくら画像診断を駆使しても診断がつきにくい認知症の割合が増えてきます。

次にアルツハイマー型認知症の病態の進行状態とステージ別の主な病状をみていきましょう。その前に全体の病状の流れです。当初は数分前から数十日前の記憶が消えていく近時記憶障害で始まり,やがて失語,失行,失認へと進んでいきます。この間に認知症周辺行動(BPSD)がみられますが,それも徐々に弱まり,日常生活における活動性の低下へと至っていきます。

アルツハイマー型認知症の臨床経過

当初,近時記憶障害から発症します。通常のもの忘れとの違いは.起きた事のエピソードがそのまま抜けてしまうことです。

発症から最初期の症状

続けて起きてくる現象としては,注意・遂行機能障害があります。今までできていた料理や簡単な作業が上手くできないなどの現象があり,周囲もただのもの忘れではないことに気づくことになります。

最初期からの初期の症状

注意・遂行機能障害が進行してくると,日常的に行ってきた入浴や着衣などにも,指示や誘導が必要になってきます。

初期から中期の症状

アルツハイマー型認知症に代表される「被害妄想」,近時記憶障害が前提となり,自身の病識の欠如と相まって,目の前に財布がないという現実を,自分自身で片づけた記憶が飛ぶことで,それ以前の経過の中で結論づけることで起きてしまうのです。人は自らを否定しては生きていけませんので,そこで「盗まれた」という被害者という発想の展開になる,ある意味当然の結末とも言えます。

アルツハイマー型あなた、私の財布盗んだでしょ!!

この被害妄想は他のタイプの認知症でも見られますが,アルツハイマー型認知症で最も多く認める現象です

認知症病型別の被害妄想頻度

そしてさらに進行することで早期から認められていた視空間認知障害の一層の進行,そして言葉の想起も困難になっていきます。

中期から後期の症状

他人が話している語彙の理解も困難になるため,話しかけてそれに対しての返事は聞かれるもののお互いが理解しあえるコミュニケーションとしては成立しません。それと同時に周辺症状と言われる被害妄想,興奮と言った症状は徐々に薄れていきます。やがては全般的機能低下に伴い,活動性の低下,嚥下機能なども低下していくことになります。

レビー小体型型認知症:見逃されやすい,三者三様の病状

もの忘れ外来を訪れる患者さんの多くはアルツハイマー型ですが、案外次に多いと言われるのが、レビー小体型認知症です。認知症の病型別頻度でよく使われるのが、2012年の厚生労働省研究班の調査結果です。

この4.3%という報告の少なさには、実際の臨床で多くの患者さんを診てきて違和感があります。
日本を含む各国の剖検例の報告にはなりますが、認知症患者における頻度は2〜3割に及ぶと言われています。レビー小体型認知症の提唱者である横浜市立大学名誉教授の小坂先生は以下のように話しています。「アルツハイマー型とレビー小体型は合併もよくあります。注意しないとアルツハイマー型に隠れてしまいます。2012年の調査で、レビー小体型認知症の頻度が4.3%と認知症疾患センターの専門医の診断です。これ、専門医がですよ。とんでもないですよ。実際は20%、5人に一人というぐらい多いんです。専門医ですら、正しく診断されていない。」そして、診断方法については、「患者さんをじっくり診て、家族の話をよく聞くんです。そして身体所見をとるんです。レビー小体型はこれで診断できるんです。臨床像をきちっととらえる、あくまでほかのは補助診断です。最近の若い人はすぐ画像に頼ってしまうんです。検査は補助診断です。」
アルツハイマー型認知症の診断では、前頭側頭葉型やレビー小体型認知症の除外診断が重要な事は既に述べました。当院においても厚生労働省研究班の報告割合では説明のできない数の患者さんが通院しています。 それでは臨床診断はどのようにされるのでしょうか。

基本に進行性の認知機能障害があります。ただし顕著な進行性の記憶障害は初期には認めません。むしろ注意障害が特徴的です。そのため長谷川式による認知機能検査を行うと、計算ができずに遅延再生(3つの言葉を覚えてもらい,1分後に覚えているかを確認する)は初期には問題ないことが特徴です。遂行機能障害を確認するためにtrail making test(数字を順番に線で結ぶ)、視空間機能を確認するために、立体模写や時計描写を行うこともあります。
視空間認知そしてこの注意・集中の機能低下の変動、繰り返し出現する具体的な幻視、誘因のないパーキンソン症状、レム睡眠行動異常症の4つが中核的特徴と言われ、そのうちの2項目以上が該当することでほぼ確実にレビー小体型認知症と診断できます。
パーキンソン症状は、対称性の筋の固縮や動作緩慢が見られます。歩くときに腕の振りが弱く、前傾姿勢になりがちです。そして姿勢反射障害や歩行障害と同時に注意障害が重なることで、転びやすくなります。
正常ではレム睡眠時には比較的低振幅周波の脳波が見られ、急速眼球運動と筋緊張の消失が特徴です。レム睡眠行動異常症では、筋緊張の消失が起きにくく、その結果、夢に反応して大声を上げたり、四肢を激しく動かしたり、ベッドパートナーを殴る・蹴るなどの激しいものまで様々な行動がみられるのが特徴です。
そして、幻視とは具体的にどのようなものでしょうか。

「誰かが2階に住んでいる。」といった具体的な幻の同居人、人物も動きを伴って生々しく表現されることがあります。対象は人物以外に、虫や動物などが鮮明に繰り返し出現します。中には壁のしみやカーテンのひずみが虫や人に見える錯視(パレイドリア)を訴えることもあります。さらには親しい人物がよく似た別の人物に入れ替わっている。テレビの中の遠い出来事が自分の身近で起きていることになってしまうなどのこともあります。これらの幻視を冷静に判って説明できる患者さんと幻視という洞察ができなく、実存するものと感じることで妄想へと伸展しいく場合があります。

もし中核的特徴が1項目のみ当てはまる場合には、DADスキャンやMIBG心筋シンチグラフィーが補助診断に役立つことになります。神経系にレビー小体を有するレビー小体病では、心臓交感神経の変性・脱落にともない心臓のMIBG集積が低下します。さらにパーキンソン病と違い、パーキンソン症状がない早期からでもMIBG集積の低下が認められます。なお、三環系抗うつ薬、レセルピン、ラベタロール塩酸塩の内服は、検査に影響する恐れがあります。

これは当院通院中の当時77歳の女性の心筋シンチグラフィーです。早期からH/M比(心臓/縦隔比)が低下するのが特徴です。心臓交感神経機能が障害されると、H/M(heart/mediastinum ratio)比は低下し、WRが高くなります。
中核的特徴以外にレビー小体型を示唆する支持的な特徴があります。脳・脊髄以外にも心臓、腸管、膀胱などにおける末梢自律神経にもレビー小体やレビー神経突起が認めらます。

その結果、頻尿、便秘、低血圧、失神などの多彩な自律神経障害が生じます。
そして認知症の初期において最も多く、うつ症状が見られるのもこのレビー小体型認知症の特徴的です。

さらに認知症状が出る前にうつ症状が認められることもまれではなく、そのために認知症の診断前に抗うつ薬が投与されていることも稀ではありません。精神科でうつ病と診断された場合でも、レム期睡眠行動異常症がある場合には、MIBGシンチグラフィーでレビー小体型認知症の前駆症状と考えられないか確認しておく必要があるでしょう。レビー小体型認知症では、アセチルコリン以外のモノアミン系神経伝達物質であるセロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンなどが抑制されていることがうつ症状の発症に関係しています。

以上のレビー小体型認知症の臨床的特徴ですが、中核的特徴よりも支持的特徴である自律神経障害やうつ症状は早期から認められる傾向にあります。

そしてこれらの症状発現にも、図にあるように非常に幅があります。裏を返すと、患者さんによってこれらの症状が様々に組み合されて認められることになります。まさしくレビー小体型認知症の臨床症状の「三者三様」を実感する由縁です。
日常生活において注意したいことは、レビー小体型認知症のひとは、薬に非常に敏感に反応するという点です。家族が認知症がひどくなったと患者さんをクリニックに連れてこられます。するとよく遭遇するのは風邪の時に第1世代の抗ヒスタミン(ピレチア)が含まれたPL顆粒を病院から処方されたり、市販でクロルフェニラミンマレイン酸が含有されている風邪薬を飲まれて、せん妄症状がでているために、注意力や活動性が低下して、認知症が急に進行したかのような病態になっているのです。

三環系・四環系抗うつ薬やパーキンソン病薬の中でも抗コリン作用のあるもの、また過活動膀胱治療薬でも脂溶性で分子量の小さいオキシブチニン(ポラキス® )などは脳への移行があるので、長期の使用は認知症発症リスクが高くなると言われています。レビー小体型認知症では神経伝達物質であるアセチルコリンが減少しており、たとえ一時的な使用でも抗コリン作用のある薬剤は特に注意が必要です。またドパミンも減少しており、錐体外路症状も現れやすいのです。抗うつ薬や抗ヒスタミン薬以外にも抗コリン作用があって、脳に移行しやすい薬剤であるジフェニドール(セファドール® )などはその副作用に注意が必要です。
以前、パーキンソン病は認知症を発症しないと言われていた時代もありました。しかし、高齢化と共にパーキンソン病も認知症を発症し、レビー小体型認知症との違いが問題となってきました。現在、パーキンソン病、パーキンソ病で認知症を発症するタイプ、そしてレビー小体型認知症はすべてレビー小体病に含まれています。

レビー小体の脳内の分布によって、脳幹部にレビー小体型が限局するパーキンソン病、脳幹部に限定されずに辺縁皮質から大脳皮質のレビー小体とともに、発症年齢とともにアミロイド斑(アルツハイマー型に特徴的な老人斑)の合併が見られるパーキンソン病認知症、そしてレビー小体型認知症では、新皮質にレビー小体が広がり、8割以上に大脳にもアミロイド斑がみられます。これらは連続性のある病態であることを示すと同時に、冒頭に記載した小坂先生が問題定義している「アルツハイマー型とレビー小体型は合併もよくあります。注意しないとアルツハイマー型に隠れてしまいます。」という言葉に象徴されています。

前頭側頭型認知症:もの忘れより、性格変化が目立つ

前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration;FTLD)もしくは前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia:FTD)は、前頭葉と側頭葉に変性が進行し、その結果、認知機能障害、行動障害、言語障害などを来す病態です。前頭側頭葉変性症(FTLD)という病名は病理学的もしくは遺伝学的に確定診断がついた場合に用いられるものです。そのため臨床診断名としては前頭側頭型認知症(FTD)が使われています。

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FTLDには意味性認知症(SD)と進行性非流暢性失語症(PNFA)が含まれます。その中でも最も代表的な行動障害型前頭側頭型認知症(bvFTD)について、臨床診断基準(Rascovskyらによる)に従ってその症状の特徴を述べていきます。
まずは行動や認知機能の進行性の低下が基本に存在します。その上で、以下にあげる特徴的な症状があります。
1)脱抑制行動としての社会的に不適切な行動があります。特に問題となるのは収集癖から発展していく万引きなどの行動です。

前頭葉眼窩面の機能不全により、病識・共感性の欠如、それが発展して道徳的判断の欠落に及び、その結果、収集癖が抑えられなくなるのです。そして道徳的知識が保たれている、他人の目を盗んで行ういわゆる万引き行為に至ってしまいます。このような社会的行動障害は他にも、家族が驚くような悪態をつく、診察中では検査の質問に対しても、考えずに「わからない」とすぐに答えたり、診察途中での立ち去り行為などにつながります。また情動の変化から多幸的になると診察室でもまるで子供のような態度(モリア)を示すことがあります。

また情動の変化が衝動的な無頓着な行動として、急にスイッチが入ったように周囲に理解できない理由でも怒り出す行為もみられます。

2)無関心、無気力が前頭葉内側や穹窿面の障害にともない、病初期から出現すると言われています。たとえば自身の衛生状態や社会的情勢なども気にしなくなります。ただし後に述べる常同性から生じる強迫的・儀式的な行動が目立つために気づかれないことが多いのが実情です。例えば、今までより家族との会話が減り、椅子でぼーっとしていたかと思うと、急に仕事に行くと職場に夜でも出ていこうとするなどの行為に及びます。
3)共感や感情移入の欠如が右側側頭葉前方部、右前頭葉眼窩部の障害で認めるようになります。周囲からは空気が読めなくなったと感じられ始め、やがては他者を意識する態度の欠如にと発展していきます。例えば、お腹がすけば夜中でも妻を起こして食事を作るように催促をする行為などに及びます。
4)固執・常同・強迫行動の出現は前頭連合野から大脳基底核への抑制がはずれることで起きると考えられています。それは時刻表的な生活という複雑なものから、単純的な動作としての机を繰り返し叩く、会話においても意味のないフレーズを繰り返す滞続言語なども認められます。

常同的周遊ではかなりの距離を歩くこともありますが、アルツハイマー型認知症と違って迷子にならずに必ず帰ってくることが特徴です。徘徊と違って迷子にならないからと家族が安心していることも多いのですが、脱抑制や共感性の欠如が共存することで社会的な問題に発展することがあるので注意が必要です。

道路の中央を歩き、車が来てもよけなかったことで事故につながったり、他人の家の花を勝手に摘んで持って帰ってくる行為などがみられることがあります。
5)食行動異常はアルツハイマー型認知症などと比較して、その特異性が目立つ傾向にあります。過食、嗜好の変化、特に甘いものが好きになるなどの特徴があります。

衝動性や常同性と相まって、早食いや同じものを食べ続ける行為につながっていきます。また食べ物以外にアルコールやタバコなどの乱用につながっていくこともみうけられます。常同性にこの嗜好の変化が反映されることで、同じ料理を毎日作るといったこともでてきます。

なお、アルツハイマー型認知症でも、同じ物を繰り返し買ってきて、同じ食事を作る行為が認められますが、その原因は記憶障害によるものです。前頭側頭型認知症の場合は、本人の執着から生じてしまいます。
6)アルツハイマー型認知症でよく見られるエピソード記憶低下や視空間認知機能低下は比較的担保たれています。そのため病院で行われるHDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価)やMMSE(ミニメンタルステート検査)では、初期の場合には正常となることがあります。それなのに日常生活における遂行機能(目的に向けて計画し実行する能力)低下による生活機能の障害が生じてきます。

これまでに挙げてきた6項目のうち3項目以上が該当する場合には、行動障害型前頭側頭型認知症(bvFTD)の可能性があります。

さらにより臨床的な確定診断に至るためには、介護者からの報告やCDR(clinical dementia rating)などの知的機能・社会適応などの評価において、有意な低下が認められることと次に示される画像的な所見が認められることが必要になります。

画像所見として頭部CTでその特徴をみていきます。
萎縮は比較的左右差が強く現れる傾向があります。病変部皮質の萎縮から、「ナイフの刃状萎縮」と言われる特徴的な所見を示すことがあります。

なるべく冠状断と矢状断画像も確認しておくと、眼窩面の萎縮の程度や側頭葉前面、特に側頭極の萎縮の評価もできます。眼窩面の萎縮が強いと脱抑制行動に、とくに右側で認められる場合には、共感の欠如につながります。

また左側頭葉極の萎縮が限局的に認められる場合は、病初期の意味性認知症(SD)の症状が見られないか確認が必要になります。

次に脳血流(SPECT)を調べる検査の場合ですが、血流低下部位は頭部CTで萎縮が見られる部位と一致します。

検査にかかる費用が高くなりますので、必ずしも疑わしい人全員には行なわず、発症初期で画像的に他の認知症との鑑別が困難な場合には行うこともあります。

最後にこれまでに「認知症 これで判る病気の全体像」であげてきた「アルツハイマー型」「レビー小体型」「前頭側頭型」認知症の脳の萎縮・機能障害部位のまとめです。

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