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熟春、年を重ねつつより自由に挑戦！

もの忘れ外来に来られる多くの患者さん,そしてそのご家族の病気に対する向き合い方は様々です。
残念ながら根本的な治療薬がない現状において、病気の進行を抑制する決め手は日常生活における過ごし方が何より重要です。

最も進行を早めてしまうのは,ひとりで何もしないで「ぼーっと」過ごし続けることです。

また何もすることがないからとなんとなくテレビをつけて、興味もない番組をバックグランドにただただ時を重ねていく、そこには自身のわくわくするような好奇心を煽るようなこころの揺さぶりはみじんもありません。
新しい脳の神経細胞を育てるどころか、現存の神経細胞の刺激としても不十分で退化を進めていくことになります。

次によくあるのが、家族が自身の価値観を押しつけて,知らず知らずにレールを引いてそこに乗るように指示をしているケースです。

主体性がないため、いくら多くの時間を費やしても脳への刺激に至りません。
むしろ自身で考えようとせず、依存性のみが培われていくことになります。アルツハイマー病でよく認める振り返り現象（質問に対して家族の方を振り返り答えを求める）をさらに強めていくことになります。残念ながら新たな神経細胞の育成は期待できません。