若いうちは認知症とは縁がない、心配するだけ無駄と思っていませんか?生涯にわたる認知症の危険因子を一生の経過のなかで分析した報告があります。その中には自らが是正できるものが老年期前からあり、年齢層によって気をつけなければいけないポイントがあります。
中年期では難聴・高血圧・肥満など、これらは生活習慣の改善や治療などで克服可能なものです。そして老年期で影響がでてくる喫煙や糖尿病においてもその前の中年期から対応しておくべき危険因子とも言えるでしょう。
老年期には誰しも陥りやすい運動不足や社会的孤立に関しては認知症を進行させます。自分自身のみでは解決しづらいポイントと言えます。そこで介護サービスの活用が重要になります。まずはご家族が役所の窓口で介護保険の申請手続きをしましょう。
その際にかかりつけ医のいる旨も伝えてください。その後、調査員によるご家庭への訪問調査とかかりつけ医の主治医意見書をもとに介護認定審査会でご本人の介護レベルが決定されます。
調査員による調査の際、患者ご本人は、「買い物は行って料理は作っています。」などすでにやれていないことを昔からの記憶で話すことがあります。ご家族が別室で調査員に困っている現状をしっかりと伝えるようにしましょう。
介護レベルが決まり、その通知が来たら、居住地域の居宅介護支援事業所のケアマネジャーにケアプランを作成してもらいましょう。ケアプランをもとに具体的に通所リハビリテーションなどの運動やレクリエーションなど他者との交流を積極的に活用することが重要です。
さらには訪問入浴サービスや配食サービスの利用、そして介護・福祉用具のレンタルなどもできます。
年齢とともに孤立しがちな生活環境を社会とのつながりのある日常へ変えていくことが、認知症の進行抑制に大変重要なポイントとなっていきます。
2023年6月19日