新型コロナウイルス感染の第8波のピークを迎えようとしています。現在、我が国においてはオミクロン株のBA.5が主流で、次に同じオミクロンのBQ1系統が増えてきています。
オミクロン株の特徴としては上気道を主な病原巣とするため、症状としてはのどの痛みが出やすい風邪症状が主で、感染力が強い傾向にあります。デルタ株と比して、重症化率は低くなっています。
インフルエンザや普通感冒の原因であるライノウイルス感染との鑑別は症状や所見だけでは困難です。そのため感染を証明する方法として、抗原検査やPCR検査が用いられています。風邪症状があったため、ご自身で抗原検査をやって陰性だったという方が当院で抗原検査を行うと陽性ということが数多くあります。
当院では鼻咽頭拭い液検査を行っております。鼻の奥まで綿棒をしっかり入れて、最もウイルスが多く存在する粘液をしみこませて採取します。
採取にあたり力むとかえって鼻腔が狭まり、痛くなります。力をいれずゆっくりと呼吸をしてください。
7月以降の当院における抗原検査での陽性率は第7波が終わって感染者の少なかった時期を含めていますがそれでも高い傾向にあります。
問診や診察行ったうえ、疑いの強い場合にはより積極的に抗原検査を行ってきたためです。
抗原検査が陰性でさらにPCR検査を行った場合、その7.2%(100人のいうち7人少し)において陽性者がいました。
重症化率が季節性インフルエンザと変わらなくなってきた現在、変異株における後遺症を分析しつつも、社会生活への影響をより速く判断できる迅速抗原検査の役割がさら大きくなってきていると言えます。
2023年1月6日