年々高齢化が進み、帯状疱疹の発症率も増加しています。そして厄介なことに治癒してもそのあとに焼けるような痛みが残る帯状疱疹後疼痛(PHN)が、50歳以上の発症者で5人に1人はいるという報告があります。宮崎県の追跡調査結果でも人口が減っているに関わらず帯状疱疹発症数が増えています。
特に乳幼児における水痘ワクチンの定期接種が開始されたことで、子供たちが水痘に罹ることが減りました。その結果、既に罹患している大人たちも、新ためてウイルスに曝露される機会が減りました。発症を抑えている免疫が鍛えられにくくなり、高齢化、ストレスなど免疫が弱まるタイミングでの帯状疱疹の発症につながりやすくなったと考えられます。
「50歳以上に水痘ワクチンで帯状疱疹予防」2016年5月12日かがやきニュースでお知らせした水痘生ワクチン以上の効果が期待できる遺伝子組み換えサブユニットワクチンについて紹介します。
ウイルス糖タンパクgEとアジュバンドASO1Bとから構成されるサブユニットワクチンです。より強い液性免疫、細胞性免疫誘導能を持っています。
2つの大規模国際共同試験における日本人での発症予防効果は、50歳以上で81.4%、さらに70歳以上では92.4%とかなり高い結果が得られています。
ただし2回接種(2か月以上あけて6か月以内)が必要になります。また一過性ではあるものの、局所の疼痛89.2%、筋肉痛58.6%と副反応は生ワクチンよりは多い傾向があります。米国疾病管理予防センター(CDC)は帯状疱疹の予防ワクチンとしてこのサブユニットワクチンを推奨しています。
2021年12月6日