コロナ渦で運動が不足し、生活リズムも乱れがちになって便秘に悩んでいる方はいないでしょうか。
まずはしっかり睡眠をとり、生活リズムを一定にし、例えテレワークでも朝食は摂るよう心がけましょう。
寝ている間に副交感神経が働き便を運びます。朝、食事を摂ることで便が直腸へ運ばれ、かつその後トイレという習慣を身に着けることが基本となります。そのサイクルが脳に刻まれて、やがて自然と便意をもよおすようになってきます。
食事内容ですが、一概に食物繊維を多く摂るだけでなく、便に水分を引き込み量を増やして腸を刺激する不溶性食物繊維と便の軟らかさを保持する水溶性食物繊維を2対1の割合でバランス良く摂取しましょう。
またマグネシウムの多い食材を意識して摂取することで便がやわらくなり排泄しやすくなります。
さらに腸内善玉菌であるビフィズス菌を増やすオリゴ糖を含む食材や同じく善玉菌である乳酸菌を含むヨーグルトやみそなどの発酵食品も毎日摂取することで 腸内環境を整えておくことも大切です。
それでも高齢化とともに慢性便秘症のひとが増えています。
その中にセンナに代表される刺激性下剤を連用している方によく遭遇しますが 依存性や薬剤耐性を起こしやすく大腸メラノーシス(大腸黒皮症) を発症すると 腸管そのものの蠕動機能が失われていきます。旅行時などの頓用や短期間の使用にしましょう。
そしてまず用いるべき薬剤として浸透圧性下剤があげられます。水分を便中に保持し容積を増すことで自然の排便を促します。最もよく使われているのが安価なマグネシウム製剤です。ただし胃酸で活性化されるため酸分泌抑制剤を内服している場合に効きが弱くなります。腎機能が低下しているひとや高齢者では定期的に血中マグネシウム濃度を測定する必要があります。体内に吸収されないポリエチレングリコールなどの浸透圧性下剤や分泌性下剤なども上手く使いましょう。
2021年9月24日