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不眠、安易に薬に頼るのは危険

4月10日の日経新聞に「その睡眠薬必要ですか?」という健康に関する特集記事の掲載がありました。薬に頼りすぎていることが指摘されています。日本で処方されている睡眠薬の7割は、欧米ではすでに主流ではないベンゾジアゼピン系薬です。デパス(エチゾラム:世界の主要国ではイタリア、韓国、日本のみしか使われていない)も含めると世界で最も汎用されている国です。昨年秋に薬害オンブズパースン会議より、厚生労働大臣宛にベンゾジアゼンピン系薬の依存症・離脱症状に関する添付文書追加記載の要望を、また学会に対して、副作用、薬剤の力価、耐性、離脱症候群(中止による不安や不眠の悪化)に関しての医療者への教育周知を訴える要望書が出されました。「前からもらっているデパス、ハルシオンをください。」と訴える患者さんが先日も来ました。依存症や離脱症状の説明をして短期間のみ処方しましたが、他の病院でもらえたのにと不満のようでした。

神経伝達における薬剤の作用機序

眠気は神経終末から分泌されるGABAが、受容体に結合し、塩素イオンが流入することで生じます。薬剤を用いるとその流入が助けられて眠気を誘発します。ただし、効きにくいからと短時間導入型の薬を併用しても薬の結合部位は飽和状態となっていて、決して効果が強くなるわけではありません。むしろ効果が遷延して転倒などのリスクや記憶障害などの副作用や薬剤同士の相互作用のリスクが増します。類似した薬剤結合部位が神経にはあって、その結果、筋弛緩作用も生じてしまいます。

睡眠剤・安定剤の強さと効力持続時間

例えばデパス内服者の6%弱に転倒歴があるという報告もあります。半減期が短く、力価の強いものは睡眠に導入されていく感覚から、依存症になりやすく、また4か月以上使用後に内服を中断すると不安の増強、不眠の悪化、振戦や耳鳴り、ひどい場合には妄想や幻覚などが出現することもあります(離脱症候群)。

安易に薬に頼らず、まず眠れる環境を整え、服薬時には睡眠日誌をつけて、病状をしっかりと医師と相談しましょう。中止するときは医師と相談して、適切な漸減方法で薬を減らしていきましょう。

2016年4月13日

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