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貧血、年だからと諦めていませんか?

「貧血だけど、鉄の不足でもないし、ビタミンB12や葉酸も正常、年でしょう。」などと言われて、諦めていませんか?今回はよく医療機関でも見逃されている腎性貧血について説明します。

貧血の分類

貧血が判る血液検査でほぼ一緒に自動的に検査がされているのが、赤血球の大きさを表す指標であるMCV(平均赤血球容積)です。 この値で原因が大きく分けられ、次に行うべき検査が決まります。小球性なので鉄欠乏性貧血の可能性が高いですね、という説明は聞いた事があるかと思います。

「正球性だけど、溶血や急性出血がないね。」「大球性だけどビタミンや葉酸は正常だね。」「まあ、年のせいでしょう。」と言われている方がいると思います。実はそこに大きな見落としが潜んでいます。

腎機能低下に関連する腎性貧血です。腎機能の低下とともに腎臓で作られているエリスロポエチンと言うホルモンが十分に働かなくなったことが主な原因で起こる貧血です。

血液中のエリスロポエチンを調べる必要があります。そしてその結果が、基準値内だから問題ないですとは行かないのが、このホルモン分泌能評価のむずかしさです。 貧血が強ければそれだけ正常の腎臓ではこのホルモンが多く作られるのです。その反応性を評価しなければいけません。でも検査は簡単で1回の採血で判ります。 診断がつけばそのホルモンを補充する注射を行えば貧血はコントロールできます。併せて鉄代謝検査も行い、鉄の利用障害の有無も評価しておきます。必要であれば鉄剤を併用します。 鉄剤内服中は、必ず定期的にフェリチンを含めた採血検査が必須です。鉄剤を漫然と内服するとヘモクロマトーシスという重篤な肝障害を起こすことがあります。

腎臓貧血の機序

推定糸球体濾過量 eGFRが60未満の人で貧血がある場合は、腎性貧血の有無の精査を行っておくべきです。貧血を放置しておくと、心臓―腎臓―貧血症候群(CRA症候群:cardio-renal-syndrome)という病態に陥り、腎臓の機能を低下させ(ヘモグロビンが1g/dl低下することで末期腎不全に至るリスク11%上昇)、その 負担が心不全を助長することになります。心臓・腎臓・血液は相互関係が強いのです。

※推定糸球体濾過量に関しては次回に測定の問題点を含めて説明します。

2015年9月7日

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