肺炎予防、効果的なワクチンの接種法

65歳以上の高齢になるとその死因に占める肺炎の割合が大きくなり、さらに年齢とともにより発症する頻度が高くなります。そのため65歳以上になると23価肺炎球菌(PPSV23)が定期接種として,公的補助があります。5で割れる年齢の方には接種該当年度にお住いの市町村から通知がきます。

肺炎の起炎菌として最も頻度が多いのが肺炎球菌です。肺炎球菌は、肺炎以外にも菌血症、髄膜
炎などの重症感染症を引き起こします。肺炎球菌はその菌表面を莢膜が覆っています。

菌の周りを覆って、ヒトの白血球からの認識を逃れようとしています。莢膜の抗原性には97の血清型が存在します。ヒトがある莢膜型の肺炎球菌に感染すると、その型には免疫(抗体)が獲得されて、同じ莢膜型の菌には感染しなくなります。従って,あらかじめこれらの莢膜に対して、免疫を獲得しておくことで、発症を予防したり、重症化を防ぐことができます。 

肺炎球菌ワクチンはこの莢膜を抗原として作成されています。ワクチンには公的補助の対象にはならないもう1種類の13価肺炎球菌ワクチン(PCV13)もあります。この2種類の肺炎球菌ワクチンをどのように接種すべきか,定期接種を活用した接種法を図に示します。

PPSV23は定期接種として受けられるのは1回だけです。2019年の米国予防接種諮問委員会によると、PCV13型の肺炎発生率は、年齢とともに増加し、慢性の肺、心臓疾患、糖尿病、喫煙者、アルコール依存症で高くなります。これらに該当する人や介護施設に居住する人は、PCV13の任意接種を考慮するとしています。

また免疫不全者ではPPSV23による抗体誘導率が低いことが報告されています。PPSV23は莢膜多糖体のみからなるワクチンで、ヒトの免疫細胞のT細胞を活性化しないため、メモリーB細胞を誘導できず、追加のIgG抗体産生能とその反応の記憶による2回目接種以降のブースター効果が期待できません。

PCV13はキャリア蛋白を有し、T細胞を活性化するためにブースター効果が期待でき、この2種類のワクチンを接種する場合には、PCV13を先行して接種することが推奨されます。

令和2年10月8日

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