健康診断で肝機能異常指摘された、原因は?

健康診断を受けて、その結果、肝機能障害を指摘されている方はいないでしょうか。その指導内容も「要精査」や「要治療」とのコメントのみで不安を感じている人も少なくないと思います。肝機能というと肝細胞逸脱酵素であるAST(GOT)、ALT(GPT)と肝胆道系酵素であるγGTP、ALP が主にあげられますが、今回は前者のAST、ALT を中心に説明します。
まずこの肝細胞逸脱酵素と呼ばれるAST、ALT(国際単位の採用とともに欧米同様に国内でも以前使われていたGOT、GPT はあまり使われなくなっています) ですが、肝臓以外の臓器にも存在するため、肝臓以外の病気でも高くなることがあります。

特にASTは心臓の筋肉にも多く含まれます。そのために心筋梗塞のときなどに有意に上昇することで、診断にも活用されます(Bさんのケース)。

そしてASTとALTの比を見ることで、どんな肝臓の病気かを推測することもできます。
正常の人(Aさん)ではAST/ALT比が1.0 から2.0ですが、先ほどの心筋の障害ではその比が5倍以上になります。また急性肝炎ではALTも上昇するため、その比は2倍以下となります(Cさんのケース)。 またASTとALTのどちらが高めかで、ある程度病態の推察も可能です。正常ではAST≧ALT なので、もしALTがASTより高く、基準値を上回っていれば食べすぎによる脂肪肝が考えられます(Eさんのケース)。 ASTが優位に高く、かつγ-GTPも高い場合にはアルコールによる肝臓の病気が疑われます(Dさんのケース)。

次の表に示したようにAST、ALTの数値の上昇レベルとどちらの酵素がより高いかで、ある程度の病態の予測ができます。

ただしウイルス性肝炎などは病気の初期と回復期では、これらの酵素の動きに違いがあります。
除外するためには、必ず病院でウイルス性肝炎の検査は受けておきましょう。

令和2年7月27日

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