長引く咳, その原因は? 診断・治療の流れ

「咳が続いて辛いです」と受診される患者さんをよくみかけます。
日本呼吸器学会のガイドラインにおいては,発症後の咳の持続期間から,「3週未満=急性咳嗽」「3週以上8週未満=遷延性咳嗽」「8週以上=慢性咳嗽」に分類されます。発生頻度が最も多い風邪などの急性上気道炎が先行していれば,グラフに示すように急性咳嗽の3週間未満では咳が続いている人が大変多く,3週以上になると6割以下に減ってきます。

すなわち3週以上続く咳の場合には, 対症療法のみでは治りにくい病気が存在していることになります。慢性咳嗽を起こす「咳喘息」「上気道咳症候群」「アトピー咳嗽」「逆流性食道炎」などが代表的な疾患になります。
まずは咳が出やすい時間帯や食事との関係も咳の原因を推察するポイントになります。

上気道咳症候群では日中も出ますが、副交感神経優位となる夕方から夜に増え,後鼻漏も関与して就寝前にひどく,咳で眠れないなどの訴えが多くなります。また食事と関連があり,特に夕食後に咳が強い場合は,逆流性食道炎を疑います。そして明け方に咳で目が覚めるような場合には,心不全が否定されれば,喘息や咳喘息が考えられます。咳喘息の場合,喘息特有な「ぜいぜい鳴る」(喘鳴)は聞かれません。
さらに「痰を出そうとする咳」か「痰の絡まない咳」かの2つに分けることができ,前者の場合,後鼻漏が関係する上気道咳症候群などが考えられます。

後者の場合には,気管支拡張薬を試して,その効果で咳喘息かそうでないかを見分けます。効果を認める場合は,咳喘息を考え,十分量の吸入ステロイドを用いることが必要です。
気管支拡張薬の効果がない場合で,食事や飲酒との関係が深い場合は逆流性食道炎を疑います。アトピー体質やのどの奥のイガイガするような掻痒感がある時には,アトピー咳嗽を念頭に採血(好酸球の増加や血中IgEなど)や呼気NOの値などを参考に診断し,抗ヒスタミン薬や吸入ステロイド薬で治療します。
最後に上気道感染症の咳に,薬と違いご自宅で試せるおいしい治療法を紹介します。
写真の分量で作るハチミツコーヒーを8時間ごとに飲んでみましょう。咳を鎮める効果が期待できます。

令和2年1月17日

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