花粉症、根本治療、やるなら今でしょ!
国民の4人に1人は悩まされる花粉症、今年の春も内服薬、点鼻薬治療のために多くの患者さんが外来に来られました。シーズン突入と同時に準備万端、その後も症状に見合った治療を受けて乗り切った方が多かったですが、中には症状がピークになってから受診されて、症状が落ち着くのに苦労された方もいました。振り返って、平成28年の全国の花粉飛散量を見てみましょう。埼玉県は16,000個/㎠ 以上と特に飛散量は多かったようです。
過去10年を平均しても、5000個/㎠ 以上と全国でも多い方の地域に入ります。平成19年から昨年までの10年間の前半の5年と後半の5年間で比較しても、後半は前半の1.8倍と増加傾向を示しております。例年、花粉は前年の日射量の影響を受けると言われています。今年の7、8月の日射量はほぼ昨年並みで、迎える春の花粉も多くなることが懸念されます。
花粉症の治療は従来から、対症療法的な症状発現抑制を目標とした治療でした。しかし、当クリニックホームページの「花粉症」の治療内に記載したようにアレルギー体質根本を改善する舌下免疫療法があります。そこでも触れていますが、治療開始した翌シーズンでの集中力などの生活の質の改善が認められています(花粉症:免疫療法におけるQOLの改善度参照)。また鼻症状を総合的に評価した治療開始2シーズン目のスコアも改善しています。
それでは、トライするには何時行うべきでしょうか?
遅くとも、花粉が飛散を始める3か月以上前から始めることで、来春の花粉による症状を緩和できる可能性があります。
「やるなら、今でしょ!」 遅くても11月中には治療を開始することをお勧めします。
治療を行うにあたっての適応判断のための検査、また治療の流れの詳細はホームページをご確認ください。(花粉症:アレルゲン免疫療法;スギ花粉症の診断以下参照)
平成28年9月6日