新型ノロ、今年は大流行の危険性あり!
9月以降に国内集団発生しているノロウイルスは昨年から検出されるようになった新型ウイルス、
GU.17型です。かつて欧州で流行していたものの国内では流行がなかったGU.4が国内に入り、ほとんどの人は免疫がなく、大流行した2006年を思い出します。大流行の危険あり!です。
ノロウイルスはGTからGXの遺伝子群に分類され、ヒトに感染して流行するのは主にGTとGUです。
GTには14種類、GUには21種類の遺伝子型があります。2006年以降主に流行してきたのは、GU.4でグラフのように昨年末までは主流でした。 しかし、今年になってGU17の検出に変わり始めました。
世界の流行状況を見ても、中国・台湾ではこのタイプが主に検出され、米国、ロシア、オーストラリアでも散発的に検出されています。
日本では集団発生が報告されている地域となっていますが、今年は主な流行タイプとなっていくと予想されています。
感染力が大変強く、乾いた環境でも1か月は生存しています。感染すると潜伏期間は1〜3日で発症します。 小腸に主に感染するため、吐き気や嘔吐が先行することが多く、その後、熱発や下痢を伴います。ウイルスに対する薬はないので、対症療法となります。発症してだいたい10日間は糞便中にウイルスを排泄します。
ヒトからヒトへ、また環境を介して接触感染が主な感染経路ですが、吐物が乾燥して塵埃となって空気感染することもあります。
石鹸を用いてしっかりと手を洗うこと、汚染された可能性のある環境は、マスクをしてから 0.1%次亜塩素酸消毒(例:ハイター 6%なので60倍希釈=水1ℓに約17cc キャプ1杯弱)を広範囲に行ってください。予防・消毒に関してわからないことは受診のときにご質問ください。
平成27年11月02日