インフル重症化防げない!ワクチン効果は?

え?ワクチンを打てば重症化防げるのでは?前回、ワクチン接種によって超過死亡(流行に起因するインフルエンザ・肺炎の死亡者)が減少すると書かれていたのと矛盾する、と思われる方も。実は個々人で検討すると接種を行ったことで重症化を防げるという科学的な実証データはありません。

感染症とRo基本再生産数

それではなぜ超過死亡が減少するのでしょうか。
感染症を引き起こす病原体の感染力を示す指標に基本再生産数(Ro)があります。 これは感染した1人が免疫を持っていない人、何人に感染させる強さかを表しています。 インフルエンザは2〜3、すなわち感染者が周囲の2〜3人に感染させるわけです。 麻疹や風疹と比較すれば弱いことが判ります。 しかし、例えば1人が感染して、潜伏期1〜2日で 二次感染を発生させた場合を考えてみましょう

ワクチン未接種集団での感染拡大

1人が2人、その2人が各々2人に感染させていくわけで、4日後は4人、6日後は8人、・・・2週間後には128人と大きく感染は拡大していきます。当然、この過程で肺炎を合併して亡くなる方も増えて行きます。
次にワクチンを接種していた集団を想定してみます。ワクチンの効果として予想される免疫獲得率で最低限50%とした場合です。

ワクチン接種集団での感染推移

ワクチンの効果が50%を少しでも上回れば、基本再生産数は1未満となり、流行は時間とともに消滅することになります。すなわち、感染者数の減少、流行期の短縮が起こり、重症化する人も減り、超過死亡も減少することにつながります。2013年京都の調査では、ワクチン接種率88%だった対象292人において、感染リスクを50%に抑える抗体を持っている人は、H1N1pdm09タイプでは60%に達しており、感染阻止目標である集団免疫率60%前後に達します。 参考までに、集団免疫率=(1−1/Ro)×100で計算ができます。Roを2とすると50%,Roを3とすると約67%となります。 昨年の川口市における65歳以上のワクチン接種者は約5万人、対象者の40%ほど(65歳以上の人口12万以上)で、十分な集団免疫率には至らなかったと推定されます。今年は是非、積極的にワクチン接種を受けましょう。

平成27年9月28日

 

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