腎機能、正常だと思っていたが・・・

前回のニュースで、腎機能低下の認められる人は腎性貧血の可能性が否定できないことを説明しました。腎機能は次に示すグラフのように年齢とともに誰でも、自然に低下(GFRの数値が下がる)します。貧血について、医師に相談したら、「腎機能は問題ないから、腎性貧血は考えにくいでしょう。」ここにも気をつけないと見逃されている問題があります。腎機能は採血で血中クレアチニン(筋肉由来、腎臓で濾過される)を測定して、性別・年齢を考慮し、腎機能=推定糸球体濾過量eGFRを計算します。このクレアチニンの値は筋肉量に比例するのです。筋肉の少ない痩せた高齢者などは低めにでるので、見かけよりも eGFRが高くなり、腎機能が正常と判断されてしまうのです。

腎機能の年齢に伴う推移

さらにクレチニンでeGFRを推定する場合に、クレアチニンのブラインド領域があり、男性ではクレアチニン1.5mg/dl,女性では1.0mg/dl以下は腎機能が正確に反映されにくいのです。すなわち、早期の腎機能障害のマーカーとしては適していないのです。

特に筋肉量の少ない高齢者や栄養状態がよくない寝たきり状態では、中等度の慢性腎不全をも見逃してしまう危険性を秘めています。そこで、採血で腎機能を推定でき、筋肉量の影響を受けないマーカーであるシスタチンCがあります。

血清クレアチニン値と腎機能(GFR)の関係

表に示すようにクレアチニンと比較して、シスタチンCは、腎機能低下の早期から異常値として上昇し、段階的に異常出現率として反映されています。保険の縛りで、3ヶ月に1回以上の測定は困難ですが、75歳以上でクレアチニン男性1.0mg/dl,女性0.8mg/dl以上の人は一度、シスタチンCも調べることをお勧めします。

腎機能の階層別の異常値出現率

平成27年9月14日

 

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