身近に潜むサイレントキラー!
国内には約4300万人の高血圧患者がいると言われており、国民の3人に1人以上が罹患しているまさに国民病です。それにもかかわらず、普段の生活で支障がないから、痛くもかゆくもないからと健康診断で指摘されても放置したり、せっかく病院に通院していても薬を飲んでいれば大丈夫とご自身の日常生活で、とりわけ早朝の血圧を測らないで平然と過信している人が多いことには驚かされます。
血圧管理で重要な因子として、早朝高血圧が知られています。生理的に早朝の血圧は高く、さらには血液が濃縮しやすく、また血栓の原因となる血小板凝集や血管の攣縮が起きやすい時間帯、すなわち血管トラブルのピークです。
早朝高血圧には、「モーニングサージタイプ」:起床とともに血圧が急上昇するタイプと「夜間高血圧型」:夜間就寝中も血圧が下がらないタイプがあります。モーニングサージタイプは脳卒中の危険性がそうでないタイプの2〜3倍弱高いことが判っています。また「夜間高血圧型」の場合、動脈硬化の進展や心肥大を起こします。さらには無症候性の脳梗塞の発症、将来の血管型認知症への危険性やCKD(慢性腎臓病)発症への関与も指摘されています。
家庭血圧を測りましょう!測定したら、記録して持参してください。早朝高血圧をしっかりと管理していく薬の調整を行います。家庭血圧の降圧目標値としては、一般の成人は135/85mmHg、糖尿病や慢性腎臓病の人は125/75mmHg、後期高齢者は135〜145/85mmHgです。
そして重要なことは血圧に影響している生活習慣の改善です。減塩、肥満気味の人は減量、適切な食事(野菜や魚の摂取、コレステロールの多い食事の制限)、有酸素運動の励行、禁煙などです。また精神的・肉体的なストレスを貯めないように規則正しい生活、リラックスできる時間の活用、しっかりとした睡眠を心がけましょう。
平成27年8月24日